『木のすきなケイトさん』読書感想文の書き方

このページでは、2016年

「第62回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校中学年(3年・4年)用の課題図書である

『木のすきなケイトさん』の「あらすじ」と「読書感想文の例」をご紹介いたします。

木のすきなケイトさん : 砂漠を緑の町にかえたある女のひとのおはなし 
(BL出版)大型本32ページ
著者:H.ジョゼフ・ホプキンズ・文 ジル・マケルマリー・絵 池本 佐恵子・訳
本体価格:1,600円
ISBN978-4-7764-0722-5
 

この本は、32ページの絵本であり、文字の部分は1000字程度しかなく、大人なら3分で読める内容です!

10歳ぐらいまでの子供の中には、まだ極端に活字の認識能力が低い子供(難読症またはそれに近い状態)もいるため、配慮のために毎年このようなタイプの本も一冊用意されています。実は私がそのタイプでしたので、このような配慮は涙がでるほど嬉しいです。(T_T)

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~~目次~~~~~~~~~~~~~~~
『木のすきなケイトさん』のあらすじ
『木のすきなケイトさん』着眼点の例
『木のすきなケイトさん』の読書感想文の例

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『木のすきなケイトさん』あらすじ

絵本のため、文字の部分は1000字程度しかありませんので、あらすじを詳しくかいてしまうと、すべてを掲載してしまうことになりますので、概略だけ簡単に説明いたします。

ケイトは、森や木が大好きな少女でした。当時は、女性に学問はいらないとされていましたが、ケイトは熱心に勉強しカリホルニア大学初の、女性科学者として卒業をすることになりました。

大学を卒業後、ケイトはサンディエゴで教師の職に就きます。当時のサンディエゴは、ほとんど木が生えていない乾燥した土地でした。学校の窓から見える「バルボア公園」にも木がなくケイトは悲しく思っていました。

教師になってからも、ケイトは科学者としての研究がしたくてたまらず、迷った末に、教師の仕事を2年でやめ、園芸家としての道を歩むこととしました。ケイトは、サンディエゴの土地でも育ちそうな、さまざまな植物を研究しとうとう、バルボア公園を緑豊かな公園へと変えたのです。

その功績から、ケイトは「バルボア公園の母」と称されるようになり、数々の賞を与えられるまでになりました。

 

内容は以上でほとんどなのですが、この内容をもとに、1,200字以内の読書感想文を書かなければなりませんので、本の内容以上の文字数を感想文として書かなければいけないことになります。(><)

よって、感想を膨らませる能力が要求される作品といえます。

このような場合、読者である自分自身への「問いかけ」や「疑問の投げかけ」が感想文のデキに直結します。
 

イメージを膨らませるための、ケイトさんを紹介した動画

【ご家族様へ】
以下は、ご家族様向けに、小学生のお子様に感想文を書かせる際のアドバイスとして使えそうな内容を表したものです。お子様に伝える際は、お子様の学力に合わせ、噛み砕いて説明していただければ幸いです。

『木のすきなケイトさん』着眼点の例

次のような捉え方で感想文を書いてみるのもよいでしょう・・

ケイトさんが大成功をおさめた理由はどこにあったのか?

ケイトさんは、自分が本当に好きなことを仕事にして大成功した人物です。しかし、世の中には、好きなことをして成功できる人と、そうでない人とがいます。この作品は、ものすごく簡単に書かれた「成功哲学」の本なのです!

そのような視点で、成功するための要素を発見するための本として捉えてみましょう。つまり、小学生の視点でケイトさんの成功の陰に、どのような「成功ノウハウ」があったかを考え、感想として書くわけです。ケイトさんの成功要因として、本書からは次の点を発見することができるはずです。

①世の中から称賛される目標だった(目標の方向性・社会性)
②その時代に求められる目標だった(目標の時代性)
③成功するために必要な能力があった(能力を満たすための努力)
④他人の協力を得るアクションがあった(自力を補う他力の活用)
⑤自分が生涯にわたり向き合えるテーマに取り組んでいた(ライフワーク性)

 

これらのすべてに感想を述べる必要はありません。ピンときた部分をいくつか取り上げて「別の成功した人」との「共通点」があることなどを解説しながら書き進めれば、1200字程度の分量なら、すぐに埋まるでしょう。

大好きなことをするために、せっかくなれた教師の職を2年で辞めた点に注目する。

私たちは「続けることは大切なことだ」と教育されてきますが、無理に続けるのではなく、ケイトさんのように本当に好きな道があるのなら「辞める勇気」を出すことが自分の人生を切り開くことになることをケイトさんから学んだ・・という展開で感想文を書くのもよいでしょう。

この点に対しては、次のような名言もあります。

「何かを得るためには、何かを捨てなければならない」
「戦略とは、何をやり、何をしないかを決めることだ」

また「変える」という言葉は「何かをやめる」と「何かをはじめる」の2つの意味からなる合成語です。つまり「自分を変える」ためには、まず「今している何かをやめなければならない」のです。自分を変えられない人というのは、習慣化している今の「何か」を手放せない人間なのです。

「変える」=「やめる」+「はじめる」

「今の自分を変えるためには、まず何かをやめる勇気が必要なのだ」と意識する必要があります。この本によって、そのような発見が得られたことを小学生の言葉で書き表してみましょう!・・小学生でそのようなことを本当に悟れたのであれば、末恐ろしい人物ですが・・(^∇^)”

余談ですが『できる若者は3年で辞める!』というベストセラーがありますが、ケイトさんは3年どころか、2年で辞めて大成功したわけです。(^∇^)″

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ケイトさんの行動は、実は「自然破壊」なのではないかという視点で書く

普通に読めば、この本は、乾燥した公園を緑豊かな公園に変えたケイトさんは「すばらしい」という方向で書かれています。しかし、乾燥した土地を、緑地に変えることは、はたして「すばらしいこと」なのか?・・という疑問を投げかける展開で感想文を書くのもよいでしょう。

小学校3・4年生で、そのような着眼でこの本を読んでいる人は、まずいない気がしますが、そこで、あえて「人間の希望」と「自然との関係」について、小学生の目ででの疑問について述べてみるのです。

サンディエゴの本来の「自然」は、乾燥した土地だったにもかかわらず、ケイトさんが個人的に森や木が好きだったため、自分の価値基準に合わせ、無理やりほかの土地からサンディエゴでも生育できる植物を植えたなら、それは「自然破壊」と捉えることもできます。

そのような「人間の勝手な価値基準」で自然に手を加えることに私は不安をいだいてしまった・・という方向で自分の考えを書くわけです。

その場合、身近な問題を引き合いにだすことで、読書を現実の問題に照らし合わせて考えた「優れた読書感想文」と評価されるようになります。

「今の日本では、外来生物の繁殖により、日本に昔から生息していたほかの動植物が絶滅の危機に瀕していますが、ケイトさんのしていることは、不自然なことを進んで実行していることではないかと感じたのです。」など。

また「私はその点に気づいたとき、思わず「ハッ」とさせられた」・・などの表現を掲載するのも「読書から気づきが得られた」ものとして感想文の質を高めます。

「植物がたくさんあることを「よいこと」とするのは、単に人間に「都合がよいこと」なだけなのではないかと不安を感じたのです。」などの韻を踏んだ表現もgood。

このように、人類に警鐘を鳴らすような、とても小学生とは思えない鋭い突っ込みを入れた感想文も高得点が得られるでしょう。

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『木のすきなケイトさん』読書感想文の書き方の例

小学校高学年(3年・4年)の課題図書で求められる文字数は、本文1200文字以内となっています。

※句読点はそれぞれ1字に数えます。改行のための空白か所は字数として数えます。
※題名、学校名、氏名は字数に数えません。

便利な文字数カウンター

以下の書き方の例は、文字数だけで(空行を数えず)1217文字ありますので、提出する読書感想文として必要な文字数(1200字以下)より、やや多い文字数ですが参考にしてください。
 

■原稿とペン『木のすきなケイトさん』を読んで

僕がこの本を選んだ理由は、この本を書いたケイトと同じように、僕も森や木が大好きだからです。

夏休みに親戚の家に遊びに行くときは、必ず裏山に虫を見つけたり、面白い形の草など採って遊びます。5歳のころはじめて押し花を作ったのも、その裏山に生えていた名前のしらない花でした。

この本を読んで、僕はケイトはものすごく偉い人だと思いました。

ケイトは僕と違い、木や土いじりをして遊んでいただけでなく、それを深く研究して、砂漠だったサンディエゴの町を緑豊かな街へと変えたからです。

砂漠を緑豊かな土地に変えるなんて、本当にできるのかと驚いてしまいました。でも、ケイトはそれをやったのです。

そこで、僕とケイト違いはどこにあるのかを、いろいろ考えてみました。すると、僕は単に昆虫や植物が好きで、山に入っているだけなのに、ケイトは植物の研究を真剣に行い、カルホルニア大学で初めての女性の科学者になるほどの努力をしていたからです。

つまり、興味だけの僕と、科学的に植物を研究したケイトとでは、他人の役に立つかどうかというところが違ってると思いました。

また、僕はとても飽きっぽいため、山に入っても2時間ぐらいすると、すぐ家に戻りたくなります。でも、ケイトは木や森の研究を死ぬまで続けました。この、好きなことを一生続けたというところにケイトの偉いところがあるのだと感じました。

ケイトは初め、学校の先生として働き始めましたが、先生の仕事を2年でやめて、自分が本当に好きな園芸家の仕事を始めたのですが、その仕事を一生涯続けています。

ケイトの植物に対する思いは、ものすごく、木の生えていないサンディエゴの街をなんとか救おうと、世界中の園芸家に手紙を書いて、砂漠でも育つ植物の種を送ってもらうなどのことをしました。

この部分を読んだとき、僕とケイトの決定的な違いがここあるように感じました。それは、ケイトはサンディエゴの街のために、他人に協力をえようとまで考えたことです。

ケイトが世界中の園芸家に手紙を書いたという「他人に協力を得てまで成し遂げたい夢」だった点に、ケイトの森や木に対する思いの深さを感じたのです。

僕が、森や木が好きだといっても、その森や木のために、他人に何かをお願いしてまでしたい気持ちはありません。

また、本の最後に、とても気になる言葉が書いてありました。それは「ケイト-キャサリン・オリヴィア・セションズは、この緑ゆたかなサンディエゴを、ずっとずっと、心にえがいていたのです。」という言葉です。

一つの街を、砂漠から緑ゆたかな街に変えるのは、到底すぐにできる事ではありません。見方を変えれば、ケイトは一つの街が、砂漠から緑ゆたかな街に変わるほどの長い間、自分の夢を描き続けることができた人だといえます。

ケイトはその功績から、歳をとってから様々な賞を与えられましたが、僕もケイトのように、「一生続けられる他人の役にたつ夢や目標」を早く発見できればいいと感じました。(文字数1217)

アマゾンのレビュー(書評)も参考になります!
『木のすきなケイトさん』アマゾンレビュー

その他の、2016年の課題図書一覧はこちら!
読書感想文 課題図書2016一覧(ページ数つき)
 

また、2016年の課題図書(小学生用)の各々の本ごとの考え方を書いた「攻略本」も発売されています。

 

読書感想文ではなく「読書連想文」だと考えて
 頭に浮かんだことを、まず紙に書き出してみよう!

 
絵本の感想を長文で書くのは大変ですが、書き方の解説は、もっとシンドイです・・(><)
 

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